理事の選任方法(輪番・立候補)のメリットとデメリット

マンションの理事の選任方法

マンションの理事の選任方法は主に「立候補制」と「輪番制」の2つです。どちらにもメリット・デメリットがありますが、調査によると、輪番制が72.7%、立候補制が27.3%と輪番制の方が多く採用されています。

輪番制とは、事前に、住戸毎に順番を決めておき、持ち回りで順番に理事を決めていく方法です。一般的には1年任期で理事の全数を改選しますが、一部のマンションでは、任期を2年とし、任期が来たら半数ずつ交代していくという方法も取られています。

立候補制については、言うまでもなく、自ら理事をやりたいという人が立候補し、理事に就任する方法です。
いずれの方法にもメリットとデメリットがありますが、輪番制でも立候補者を受け入れるというルールを定めていることが多いようです。

輪番制のメリットとデメリット

立候補してくれる組合員がいる場合には、その方に任せるというやり方もありますが、ほとんどのマンションでは、そういう積極的な方もいないため、輪番制で、平等に理事を担うという方法が多くとられています。

理事会の運営は、業務の継続性が求められますが、あまりにも理事の任期が長すぎると、理事長と管理会社との不適切な関係を疑われたり、理事会の私物化といった問題がおこる事態が懸念されますので、理事は任期を明確に定めた上で、輪番制などを用いて、各区分所有者が平等に理事を務めることが原則です。

役員の選任方法(出所:平成25年度マンション総合調査)

国土交通省の調査によると、マンション管理組合の理事の選任方法は、順番(輪番)が72.7%と最も多く、つぎに立候補が32.3%となっており、多くのマンションで輪番制で理事を決めていることがわかります。

なお、標準管理規約では「再任を妨げない」としていますが、この場合役員が長期にわたって固定化することによる弊害もありますので、再任回数を定めておく方が良いでしょう。特に理事長が何期もつづけてやると、他の方が無関心になったりと問題も起きやすくなりますので、1期努めたら、次の期は別の方に譲るといったルールにすべきでしょう。

標準管理規約(役員の任期)
第36条 役員の任期は○年とする。ただし、再任を妨げない。

第36条関係
① 役員の任期については、組合の実情に応じて1~2年で設定することとし、選任に当たっては、その就任日及び任期の期限を明確にする。
② 業務の継続性を重視すれば、役員は半数改選とするのもよい。この場合には、役員の任期は2年とする。

輪番制のメリットは、公平性という点と、全ての区分所有者が理事を経験しておくことができるということです。多くの方が理事を経験する事で、マンション管理に関心を持つことができます。

また、立候補制と違い、輪番制では理事が常にいれかわるので、特定の理事が長期にわたってつとめることによっておこる癒着や不透明な運営を防ぐことができます。

ただし、輪番でやる気のない理事がそろった場合には、理事会の活動が疎かになるケースもみられます。

立候補制のメリットとデメリット

管理に関する知識があって、熱心な方が理事になれば管理組合の活動が活性化することが期待できます。住人から信頼が厚い方が理事長になった場合などには、例えば大規模改修などにおいては合意形成が比較的容易に進みやすくなるメリットがあります。

一方で、同じ方が長期にわたって務めることにより、「ワンマンな理事長」といった状況になることも考えられます。管理会社と馴れ合いになることで、癒着や着服といったことが実際に起っています。

輪番・立候補ともに任期は1、2年程度が適切

役員の任期(出所:平成25年度マンション総合調査)

平成25年度マンション総合調査によると、マンションでの役員(理事)の任期は、 「1年」が59.6%と最も多く、つぎに「2年」が35.4%となっています。

マンション運営は事案によっては、長期的な議論が必要な場合がありますので、1年毎に役員が全員がいれかわる選任方法は継続性に不安が残ります。

しかし、あまりにも理事の任期が長すぎると、理事会の私物化といった問題がおこる事態が懸念されますので、1~2年程度の任期が適切でしょう。

役員は半数毎の改選が望ましい

役員の改選人数(出所:平成25年度マンション総合調査)

平成25年度マンション総合調査によると、役員の改選人数は、「全員同時期に改選」が59.2%、「半数ごとの改選」が24.7%となっています。管理組合運営の継続性を確保するためにできれば半数改選の2年任期をお勧めします。

役員が毎年全員交代すると、理事会でのこれまでの議論や活動の経緯がわからなくなったり、理事会活動そのものが停滞しかねません。理事会業務の継続性ということであれば、任期を2年とし、任期が来たら半数ずつ交代していく半数改選の方法が有効です。

しかし任期が2年となるため1年任期と比較すると理事の負担が増えてしまいます。理事のなり手がいないといったマンションでは半数改選での運用は実質的に困難でしょう。

実際には、多くのマンションで、1年もしくは2年で役員が一斉に交代します。その場合には継続性を確保するためにも引継ぎをしっかりと行うことが重要です。

引継書といった文章で残すことはもちろんのことできれば、交代の前に次期の理事候補者を理事会に招き管理組合が抱えている問題や居住者のトラブルなどナイーブな事柄については直接口頭で伝えることも重要でしょう。

まとめ

前出のとおり、分譲マンションの理事の選任方法は主に「立候補制」と「輪番制」の2つです。輪番制の方が多く採用されているのは、昨今、理事のなり手不足が顕著になっており、立候補者がいないこともありますが、理事が固定化するのを防ぐことを目的としています。

理事が固定化するとどうしても、馴れ合いや癒着といった不正行為がおこなわれるケースがあったり、万年理事長の自己流の管理組合運営が悪影響となる場合があります。こうしたことから、現在では輪番制での理事会運営が区分所有者の公平性の面からも推奨されています。

マンションの区分所有者からしてみれば、マンションを管理がやりたくて購入したわけではなくても、ほとんどの場合、いつのまにか輪番制で理事の順番がまわってきます。住人それぞれに事情があって、管理組合の役員(理事)を引き受けられないということもあるでしょう。

しかし、分譲マンションは複数の所有者が共同で所有し、協力しあって管理をおこなうことにより成り立ち、分譲マンションに住む以上は、マンションの役員(理事)を引き受けるのは当然の義務となります。立候補は難しくても、輪番で回ってきた場合には、快く引き受けましょう。

なお、ここでは便宜上「立候補制」と「輪番制」を役員の選任方法と記載しましたが、この方法は候補者の選定方法に過ぎず、実際には理事及び監事は、総会で選任しなくてはなりません。

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